近森人形
 
 
 
受け継いでいきたい、人形文化
 
 人形の文化をしっかりと受け継ぎ、人形づくりのすばらしい技と心、人形にまつわる人々の熱意を広くお伝えしたいと、さまざまな企画展を開催してまいりました。
人形文化伝承の一助を担うものとして、今後も順次行ってまいります。
 
近森人形企画展
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人形に宿る命を慈しむ
 
 お子さまが生まれ、初めて飾るお雛様や五月人形。たくさんの祝福を受けてやってきた人形たちは、しみやキズも思い出の一つとなって、一緒に成長していきます。人形の表情は、心を映す鏡のようなもので、楽しいときには一緒に笑い、悲しい時には一緒に泣いているように見えます。人形は、古くから信仰の対象であり、子どもたちの遊び相手でもあり、美しさを楽しむものでもありました。日本には、人形を命あるものとして慈しむ心があります。
木目込み人形(一秀)
 
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節句のお祝いと人形飾り
 
 季節の変わり目を「節」といい、中国暦に由来するものです。古くは、朝廷が「節日(せつじつ)」として、無病息災に暮らせるよう「節会(せちえ)」と呼ばれる宴会を催しました。いくつもの節日があった中で、気候の変化が大きな時期にあたる5つを江戸幕府が公的な祝日として定め、五節句として現在に伝わっています。
 近頃では、核家族化が進み、祖父母と孫とがふれ合う機会も少なくなってきました。3世代が揃って子どもの成長を願い、季節のお料理を囲んで親しく団欒のひとときを過ごすお節句は、心を通い合わせ、家族の絆を結ぶよい機会です。
 
五節句
◆1月7日 人日(じんじつ) 七草の節句
  七草がゆを食べて一年の無病息災を願う、お正月最後の日。
  お正月には、羽子板破魔弓を飾り、子どもの無事を祈ります。
◆3月3日 上巳(じょうし/じょうみ) 桃の節句・ひな祭り
  3月はじめの巳の日であり、魔除けとなる桃の花が咲く時期。
  お雛様を飾り、女の子の健やかな成長を願います。
  お祝いに、白酒、菱餅、ひなあられなどを供え、いただきます。
  地方に根付く「嫁節句」
  嫁を迎えて初めての3月に、親戚や親しい人を招いて嫁節句のお祝いをします。
  親は、嫁いだ娘の幸せを祈り、お雛様を贈ります。
◆5月5日 端午(たんご) の節句・菖蒲の節句
  午の月である5月最初の午の日が「端午」。ちまきや柏餅を食べ、
  菖蒲湯に入る習慣があります。男の子が生まれたことを知らせ、
  立身出世を願って、戸外にはこいのぼり、室内には五月人形を飾ります。
◆7月7日 七夕(たなばた/しちせき) 星祭
  七夕とは、7月7日の夕方を指します。織姫と牽牛が一年に一度だけ
  出会えるこの日をお祝いし、神様への願い事を星に祈ります。
  中国では「索餅(さくべい)」を食べる風習があり、それにちなみ日本では素麺を食べます。
◆9月9日 重陽(ちょうよう) 菊の節句
  菊の花に長寿を願う節句。菊の花は邪気を払うとされ、菊の花が入った酒を酌み交わします。
  別名「粟の節句」ともいわれ、収穫祭にも由来します。